日本百名曲 -20世紀篇-

20世紀の日本の歌曲から、独断と偏見による日本100名曲を紹介(500名曲もやるぜよ)

『even if』平井堅 ~ 妄想は心に思う分には無害だが口にするとキモイ

女を酒に酔わせて、どうこうしようという妄想を抱くお話である。
以上、歌の解説、おしまい!



いや、、、これで終わっては身も蓋もない。
もう少し具体的に内容を詰めていこう。


彼氏持ちの女友達。密かに想いを寄せるそんな相手に対し
この主人公、どういう手を使ったか、
事前にリサーチしておいた雰囲気のいい店に誘い込んだまでは良いが、
ただいけない妄想にふけるばかりで、小心者ゆえに何もできない。という話である。
解説、おしまい!!





・・・さて、キャンドルを照明にした
雰囲気のあるバーカウンターに腰を下ろし、飲みかわす二人。
「♪このバーボンと カシスソーダが無くなるまでは 君は 君は僕のものだよね?」
遊び慣れた男なら、これくらいの軽口は、平気に口にしてしまうのかもしれない。
が、この主人公、頑として態度にあらわさないようだ。


心の中では、いつまでもそばに置いておきたいと願いつつ
「♪すべての言葉をまた飲み干して 君から目をそらし」たり、
終電が行ってしまうことを願いながらも、
「♪残りのバーボンを今飲み干して 時計の針を気にし」て
ああやっぱり間に合ってしまったか、と心の中で嘆きつつも、
おそらくは、ほっと安堵して、ちゃんと終電に間に合うように帰したりと。

even if
シングルジャケット/amazonより
even if

even if

  • 平井 堅
  • J-Pop
  • ¥255
 
  • 作詞・作曲 平井堅、編曲 松尾潔
  • 2000年(平成12年)12月6日、デフスターレコーズより発売
  • オリコン最高位3位(年間56位/2001年)
  • 歌詞はうたまっぷへ:even if 平井堅 歌詞情報 - うたまっぷ 歌詞無料検索
  • 曲にまつわる背景などはwikipediaにくわしい:even if - Wikipedia


  • ところで巷では、このバーボンのくだりにおいて妙な誤解が生じているらしい。
    直前のくだりが
    「♪君もいっそ酔ってしまえばいい そして彼のことを忘れちゃえばいい」
    から続いているため、
    残りのバーボンを飲み干したのが「君」だという誤解だ。

    バーボンを飲んでいるのが「君」ってことは、
    「僕」が飲んでいるのは、ひょっとしてカシスソーダなの?と。
    ここからさらに妄想が発展して、
    バーボンを飲んでいる「君」は、実はいかつい男性であり、
    平井堅扮する「僕」は、なよっとしながらもやっぱり男性*1だろうし、
    「君」の「彼」も当然のように男性、
    という恐ろしい三角関係の図が生まれている。

    いやいや、何回も「♪このバーボン」って歌っているでしょ。
    「僕」の飲んでいるのがバーボンだってば。
    歌の主人苦だけでなく、聴き手側までが暴走するとは
    妄想というのは、げに恐ろしい。


    可能性として、ちっとも酔ってくれない「君」に対し、
    ちょっと飲んでみる?とばかりにバーボンを勧めたところ
    あっさりと飲み干されてしまったというのがオチ、なのかも。


    根性がないので自分からは決して手を出せないため、
    あわよくば酔っぱらった彼女の方から、と
    どうしようもなく遠回りで他力本願な手段に出るしかない。
    しかし酔うのは自分ばかりで、「君」は酔っぱらってくれないようだ。


    まさか一杯のバーボンで酔っぱらってしまったという話ではなかろう。
    最初は「少しだけ」酔っぱらっていたのが、「かなり」酔っぱらうに至る。
    時間経過もそこそこしている様子なので
    ボトルで入れたバーボンを、一杯、また一杯と
    飲み干すまで粘った話だろうか。そりゃ酔っぱらうだろう!


    店のドアに鍵をかけて軟禁状態にしたうえで、
    終電がなくなるまで粘って、彼女を手中にしようとする。
    さもなくば時間よ止まってくれ!
    そんな妄想を実行に移さなくてよかったねと、つくづく思う。
    そしてこういう妄想は、口にされるとだいぶ引くから
    ちゃんと心の中だけに届けておくように。

    決して歌にまでして、世に問うてはいけない。



    名曲・聴きドコロ★マニアックス

    古き良き時代の映画音楽、そんな感じに始まる、
    R&B(アール・アンド・ビー もしくは リズム・アンド・ブルース)。

    ところでこのR&Bの定義がよくわからない。
    というよりも、旧来の黒人音楽をルーツとしたR&B
    現代のR&Bがあまりに違いすぎて何が何だかわからない。
    大人っぽいアレンジの曲をひっくるめてR&B
    くくっているようにしか思えない。

    自分の感覚的には電子ピアノの使い方や、全体の雰囲気から、
    表題曲のような歌は、AORなんじゃないかと思っていたのだが、
    調べるとこの「AOR」というのも、実ははっきりした定義のある
    ジャンルじゃないことを知り、愕然とする今日この頃。

    ま、ジャンルなんて、実際のところどうでもいいんだけどね。(なげやりぎみ)


    意味が知りたい★ここんとこ 深読み&ななめ読み

    even if
    英語で「たとえ~だとしても・・・」の意。
    たとえ君が彼を思っていたとしても、僕は君のことを・・という意味か。
    バックコーラスの英語でそんな感じのことを
    歌っているように聞こえるが、うまく聞き取れない。
    ♪ I miss you, even if I wait you away
    ♪ I want you, even if you love someone else
    前半はなんとなくしか意味が通っていないので
    聞き間違いかもしれない。


    現在入手可能な音源

    【オリジナルアルバム】
    gaining through losing

    gaining through losing

    • アーティスト:平井堅
    • 発売日: 2001/07/04
    • メディア: CD


    やっぱ生で聴きたい人は、ライブ・イベント情報&チケット
    ▼ 平井堅
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    ※該当曲を聴ける保証はありません。

    脚注

    *1:【なよっとしながらもやっぱり男性】このあたりは平井堅自身の風貌と歌い方に、こういう憶測を持たれる原因があるんだろうな