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日本百名曲 -20世紀篇-

20世紀の日本の歌曲から、独断と偏見で100曲を紹介

『異邦人』 久保田早紀 ~ タマゴが先か、ニワトリが先か。(いや、クボタサキだ)

ほんのつま先ほどの、

何とも表現できない違和感があった。

 

サブタイトルに「シルクロードのテーマ」と

ついていたことを知ってからだと思う。

 

そのとおり演奏は実に中東的だ。

 

終始演奏を引っ張っているストリングスもそれっぽいし、

ズンチャカチャッチャ、ズンチャカチャッチャ、というリズムや、

メロディーを追いかけて補完するようなクラリネットの旋律、

寂しげに掻き鳴るペルシャの琴*1などが

エキゾチックにいろどりを添えている。

 

 

だのに、自分がこの曲に対して

元々おぼろげに持っていた印象は

そんなエキゾチックなものではなかった。

 

似たようなテイストを持つ、

中森明菜の『Sand Beige』や『ミ・アモーレ』(どちらも1985年)なんかだと、

メロディー自体がエキゾチックな感じがする。

 

一方、『異邦人』は、鼻歌なんかではエキゾチックな雰囲気が出にくい。

メロディー自体はがそれっぽくないからだろう。

CDで聴いてみて、ああ確かに

エキゾチックな曲なんだだな、と初めて感じたくらいだ。

 

リアルタイムで知ったような人には、

わかりにくい感覚かもしれない。

CMソングとして使用されていたときには、

中東の映像とともに使われていたそうだから。

映像の力は大きい。

 

しかし、あいにく

自分はリアルタイムの映像は知らない。

 

 

このエキゾチックテイストが、

山口百恵らのプロデューサーとして名高い酒井政利によって、

あとづけで付けられたものだと知り、

ああ、それでか、と違和感の正体に感づいたつもりでいた。

 

1番の歌詞にはそれほどシルクロードの雰囲気はない。

失恋して、初めて自分が子供だったことを知った、という内容で、

ある種よくあるパターンだ。

 

2番はまるっきりシルクロード中央アジアの雑踏を描写している。

内容の落差が激しいと感じるのは気のせいだろうか。

 

2番はアレンジが決まった後で、

まったく変更されたのではないか、

1番もわずかしか原形をとどめていないのではないか、

印象的な「異邦人」という言葉すらも後づけではないか、

といろいろ勘ぐってしまう。

 

 

では酒井は、失恋ソングに何の脈絡もなく

後付けでシルクロードのイメージを埋め込み、

原形がなくなるほど変更してしまったのだろうか。

 

 

ここからは全くの推測に過ぎないが、

「異邦人」という歌詞は元々のオリジナルの

久保田の歌詞に既にあったのではないかと思う。

 

住んでいる世界が違った人、のことを

異邦人(元々はカミュの小説の邦題)という言葉で

表現したのではないだろうか。

 

 

その「異邦人」という言葉から酒井が喚起したイメージが

シルクロードだった、のではないかと思うが、

いかに。

 

 

はたして出来上がった曲は、素晴らしいものになった。

経過はどうあれ結果として

文句のつけようがないのは事実。

 

横からピーチクパーチクどうでもいいことをつついている

自分のような輩が一番つまらないということは解っているのだ。

 

 

 

名曲・聴きドコロ★マニアックス

「ハンマード・ダルシマー」という楽器らしいが、

大正琴にエコーを効かせたような響きの楽器が、

実にエキゾチックな効果を与えている。

 

・・・というか、このエキゾチックな音を

大正琴になぞらえている時点で台無しだ。いけねぇ。

 

 

意味が知りたい★ここんとこ 深読み&ななめ読み

「空と大地が触れ合う彼方」

地平線のことだね。こういう詩的な表現ができる人になりたい。

 

「異邦人」

「邦」の字は人名でしばしば「くに」と読まれるように「国」とほぼ同じ。

要するに異邦人は異国人のこと。

逆に、日本から見た邦人=日本人のことなのは感覚的にわかると思う。

 

ただの通りすがりである私が=異邦人、

ということは、この物語の主人公は今現在

異国を旅している(あるいは何らかの目的で滞在する)ことがわかる。

彼はそんな異邦人である「私」に対して、

ちょっと興味を持っただけだったのだろう。

 

「時間旅行」

もちろん、タイムスリップしているわけではない。

古き時代を思わせる街で、歴史に思いを馳せることで

不思議と傷心が癒されていく、というようなことだろう。

旅行者や研究者だったのなら、こちらが本来の目的だったのだろうから。

 

 

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夢がたり

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異邦人

異邦人

  • 久保田 早紀
  • J-Pop
  • ¥250

 

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異邦人 [EPレコード 7inch]シングルジャケット/amazonより

作詞・作曲 久保田早紀、編曲 萩田光雄

1979年(昭和54年)10月1日、CBSソニーより発売

 

歌詞はうたまっぷ

久保田早紀/歌詞:異邦人/うたまっぷ歌詞無料検索

 

曲にまつわる背景などはwikipediaにくわしい

異邦人 (久保田早紀の曲) - Wikipedia

 

オリコン最高位1位(年間2位/1980年)

脚注

*1:ダルシマー」というらしい