日本百名曲 -20世紀篇-

20世紀の日本の歌曲から、独断と偏見で100曲を紹介(500名曲もやるぜよ)

『もしも明日が・・・。』わらべ ~ 大げさなんだよ。今生の別れでもあるまい・・・し?

前作、『めだかの兄妹』(1982年/ by)に引き続いての新作童謡。
習作のようなアレンジで大ヒットした前作とうって変わって、
実に凝ったアレンジを引っ提げての登場となった。

大ヒット曲の次に多いんだよね。こういうの。
いやらしい話、金と時間がかけられるものだから、
もう、音が鳴ってない無音の部分の音からして違う。


しかしながらこういうものの多くは、コケるのが世の常というもの。
具体例を挙げると、シーケンサー*1による自動演奏感がすごかった
『Lifetime Respect』(三木道山/2001年*2 by)のヒット後、
次のシングル曲が、見違えるような生演奏で、
だけど全然ヒットしなかったことを思い出す*3


ところがどっこい、『もしも明日が…』についていえば
曲ではなく、メンバーのひとりがコケていなくなるという
ハプニングがあったものの、楽曲自体は数ランクアップ。

トレモロマンドリンによるイントロ、
哀愁あふれるクラリネット
ちらりちらりと見え隠れするアコーディオン
弾むようなリズムをとっているバンジョー
アクセントを加えるウッドブロック、*4
シンプルだが凝った、ちょっぴりエキゾチックな感じのアレンジが、
素人臭いボーカルにマッチしている。
新作童謡というコンセプトにはぴったりだ。


そんな、懐かしくも美しい曲だが、
どことなく、身もだえるような不安な感じがつきまとう。

不穏な雰囲気をかもし出している一番の要因が
「もしも」という言い方に始まる歌詞だろう。
明日の天気を言うには、ちょっと大げさすぎやしないか。


f:id:outofjis:20160527235814j:plain シングルジャケット/たまには、自前の画像から
もしも明日が

もしも明日が

  • わらべ
  • J-Pop
  • ¥250
 
  • 作詞 荒木とよひさ、作曲 三木たかし、編曲 佐藤準
  • 1983年(昭和58年)12月21日、フォーライフレコードより発売
  • オリコン最高位6週連続1位(年間1位/1984年)
  • 歌詞はうたまっぷへ:もしも明日が わらべ 歌詞情報 - うたまっぷ 歌詞無料検索
  • 曲にまつわる背景などはwikipediaにくわしい:もしも明日が…。 - Wikipedia

  • ほかの歌で、「もしも」が付く歌を思いつく限りで挙げてみよう

    「♪もしも私が家を建てたなら」
    (『あなた』小坂明子/1973年/ by
    「♪もしもピアノが弾けたなら」
    (『もしもピアノが弾けたなら』西田敏行/1981年)
    「♪もしも太陽がなかったら」
    (『太陽戦隊サンバルカン串田アキラ/1981年/ by
    「♪もしも願いがかなうなら」
    (『恋に落ちて』小林明子/1985年/ by
    「♪もしもあなたと会えずにいたら」
    (『時の流れに身をまかせテレサ・テン/1986年/ by
    「♪もしも明日私たちが何もかも無くして」
    (『あした』中島みゆき/1989年/ by
    「♪もしも生まれ変わっても」
    (『Yellow Yellow Happyポケットビスケッツ/1996年/ by
    「♪もしも君じゃなかったら」
    (『if...』DA PUMP/2000年/ by
    「♪もしもまだ願いがひとつ叶うとしたら」
    (『君が好き』Mr.Children/2002年*5 by

    なんだか、いくらでもこの手の曲が出てくるが、
    本来はこんな風に、ありえないような、
    もしくは過去に起こったことが違っていたら、
    今の自分にはできないけれど、
    そんなことに対して、もしも、と前置くのが普通じゃないだろうか。


    そんな中、

    「♪もしも明日が晴れならば
    「♪もしも明日が雨ならば」
    「♪もしも明日が風ならば」

    もしも、と前置きするには条件が緩すぎる。

    「♪雨が降ったら遅刻して 風が吹いたらお休みで」
    (『南の島のハメハメハ大王』水森亜土/1976年)並みのタラレバだ。

    なにをそんな深刻な、と身構えてしまうではないか。
    さらっと、明日晴れたら、明日雨だったら、といえばいいものを。


    ひょっとして主人公に明日はないのか?
    何らかのフラグが立ってしまったのか?



    名曲・聴きドコロ★マニアックス

    なんといっても、追っかけのコーラス。
    単純な追っかけではなく、まったく別のメロディーライン、
    しかも結構キャッチ―なメロディーで、
    こっちの方を歌いたくなってしまうほど。

    曲自体はAメロ→Bメロ→Aメロというシンプルな構成だが、
    最後のAメロにこの追っかけが加わっていることで
    曲に深みを持たせている。


    それにしても、男性陣の存在感のなさは何だろう。
    女性陣は、わらべの2人(かなえ/倉沢淳美、たまえ/高橋真美)と真屋順子の計3人、
    男性陣も、コサキンの2人(グレ子/小堺一機、クロ子/関根勤)と見栄晴の計3人、
    同数のはずだが、いるのかいないのか、そんな感じだ。

    前述の追っかけのコーラスでは、
    男性3人が歌っているハズなのに真野順子ばかりが目立ち、
    2番では見栄晴もメロディーを歌っているようだが
    これも全然目立たない。
    歌っているのは聴こえるのに、目立たない。
    特にコサキンなんて、レコードではどこにいるのかわからない。


    意味が知りたい★ここんとこ 深読み&ななめ読み

    もしも明日が晴れならば 愛する人よあの場所で」
    通常モードで考えると
    ・・晴れたら、いつもの場所で待ち合わせね。
    深刻モードで考えると
    ・・絶対ないけども、もしも晴れるようなことがあったら、
    もう会えないはずのあの人に、あの場所で出会える奇跡が起こるかも。


    「もしも明日が風ならば 愛する人よ呼びに来て」
    通常モードで考えると
    ・・風が強かったら、外で待っているのは大変だから、家まで呼びに来て。
    深刻モードで考えると
    ・・逆風吹き荒れる世の中だけれど、愛する人、あなたは
    それでも私を迎えに来てくれますか


    現在入手可能な収録CD/視聴可能
    めだかの兄妹?わらべ全曲集?

    めだかの兄妹?わらべ全曲集?

    いつ聴いてもひどい、音頭調の「もしも明日が…」も収録




    脚注

    *1:乱暴に言うと、ジャンルとコード進行を入れると自動演奏してくれる機械

    *2:あ、20世紀の曲じゃないや

    *3:その後すぐに聴く機会を失ってしまったので、すごくあいまいな記憶だけど

    *4:どの楽器も、(?)の表記が必要かもしれない

    *5:あ、20世紀の曲じゃないや