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日本百名曲 -20世紀篇-

20世紀の日本の歌曲から、独断と偏見で100曲を紹介

『花嫁』 はしだのりひことクライマックス ~ 来ちゃった(てへぺろ)。まさかそんな嫁入りか!

1971~1975

小気味よい軽やかなリズムに乗せて

異様なほど伸びやかなボーカルが紡がれる。

 

そして歌詞を見て驚く。

これだけ?*1

そう。たったこれだけの文章。

 

 

言葉を発するたびにやたら空白があるわけでもない。

曲のテンポがスローなわけでもない。

曲の半分をも占めるような長い間奏*2があるわけでもない。

  

カッティングのアコースティックギターと、

こぼれるようなカントリー風のギターの絡みによる

イントロなんかは、ごくごくあっさりとしたもの。

 

ただただ、単語の終わりの音が、

いよ~~~~~~~~~なほどに~~~~~~~~~~~、

長~~~~~~~~い~のよ~~~~~~~~~~~。

 

これだけの歌詞で3分近く持たせてしまう。

だけど、全然スローに聞こえない。

ちょっと不思議。 

 

 

ところで気になるのが、この物語の主観は誰なのか、

ということ。

花嫁本人と考えるのが普通かもしれないが、

なんとなく違和感がある。

 

「嫁いでゆくの」「心に誓うの」

語尾が「の」と、女言葉になっているために

花嫁本人の言葉のような気がしてしまうが、

試しにこの「の」を、「よ」に変えてみよう。

 

花嫁は夜汽車に乗って嫁いでゆくよ

あの人の写真を胸に海辺の街へ

 

嫁いでゆく花嫁の情景を歌った

ナレーションによる叙事詩になる。

 

 

もしも、花嫁本人が自分のことを「花嫁」といったり、

相手のことを「あの人」といったりしているのであれば、

なんだか芝居じみてやしないか?

 

花嫁本人の心情を歌うのであれば、

自分は「私」であり、相手は「あなた」であるのが普通ではないだろうか。

瀬戸の花嫁』(小柳ルミ子/1972年)のように。

 

 

何もかも捨てて衝動的に夜汽車に飛び乗った、

そんな自分の置かれているシチュエーションに

酔っているのだろうか。

 

親兄弟どころか、当の相手の同意を得たわけでもなく

ひとりその気になって突っ走ってしまった、

そんな押しかけ女房なのではないかと勘ぐってしまう。

 

果たしてこの花嫁の運命いやいかに?

 

 

 

名曲・聴きドコロ★マニアックス

藤沢エミが、伸びやかな中低音を駆使して

唄い出しからのメインボーカルを務め、

 

はしだのりひこが、高音のファルセットを生かして

サビというかブリッジというかの部分のボーカルを務める。

 

んん、なんだか逆じゃない? 

逆じゃないところが普通じゃない。

 

 

意味が知りたい★ここんとこ 深読み&ななめ読み

「夜汽車」

夜汽車どころか、夜行列車という言葉さえ死語になりつつあるご時世だが、

一般に、日をまたいで運行する長距離列車を指す。

言葉の持つイメージから、狭義では、

寝台車だけの列車とは分けて考えられることも多い。

 

話が脱線するが、かつては長距離を

安価で移動しようとする常套手段だった。

なにしろ、元々かかる切符代だけで、宿代がいらない。

時間の有効利用にもなる。

 

だけど、結構つらい。

晩年のものと違って、普通のボックスシートの列車だったからだ。

もちろんリクライニングもしないし、椅子も固い。

 

かつて何回か夜行の急行列車に乗ったことがあるが*3

シーズン外であれば混んでないから、

時には対面含めたボックスを独占できることもあった*4

しかし、足を向かいの席に伸ばしたところで、

座席の間を埋めるものはなく、空中で足を保持することができない。

とてもじゃないが、若い女性の一人旅に勧められる代物ではなかったと思う。*5。 

しかもこの時代は文字通りの汽車、蒸気機関車だった可能性もある。

 

そこまでしての花嫁の旅立ちは、計画性のあるものではなく

突発的なものだったと思われる。

計画的だったとしたら周りは止めたに違いない。

少なくとも新郎は迎えに来ていたはずだ。 

許されぬ恋だったのだろうか。

 

 

「花嫁衣装は 野菊の花束」

当然のことながら、着物の柄が野菊の花束、というわけではない。

嫁入りに、文字通り花を添えているものが、野菊の花束くらい、

という質素な状況を指している。

花束といっても、野菊である以上、ひとへの手土産ではない*6

自分の好きな花なのか、相手の好きな花なのか。

このあたりにも、計画性のない衝動的な感じが現れている。

 

 

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ゴールデン☆ベスト

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iTunes / 試聴も可能
花嫁

花嫁

 

 

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シングルジャケット/駿河屋より

 

作詞 北山修、作曲 端田宣彦・坂庭省悟、編曲 青木望

1971年(昭和46年)1月10日、東芝音楽工業より発売

 

歌詞はうたまっぷ

はしだのりひことクライマックス/歌詞:花嫁/うたまっぷ歌詞無料検索

 

曲にまつわる背景などはwikipediaにくわしい

花嫁 (はしだのりひことクライマックスの曲) - Wikipedia

 

オリコン最高位2週連続1位(年間7位/1971年)

脚注

*1:全文引用するわけにいかないので、リンク先のうたまっぷを見てほしい

*2:ロックバンドなんかでときどき聴くことができる、ギタリストの自己満足

*3:「ちくま」「はまなす」「利尻」など

*4:そんな状態だから廃止になるんだよな

*5:利用する人いたけどね

*6:子どもじゃあるまいしね