日本百名曲 -20世紀篇-

20世紀の日本の歌曲から、独断と偏見で100曲を紹介(500名曲もやるぜよ)

『津軽海峡・冬景色』 石川さゆり ~ もはや条件反射。津軽海峡といえば、上野発。

暗転した舞台に、

三味線と鼓による『天城越え』(1986年)の

カッコいいイントロに導かれて

スポットライトを浴びた、石川さゆり登場。

 

途中、新曲や、自らの持ち歌以外のスタンダードを交えつつ、

能登半島』(1977年)のようなヒット曲や

ウイスキーが、お好きでしょ』(1991年)などの小品をからめて、

ラストにこの『津軽海峡・冬景色』を持って来れば

熱心なファンじゃなくても、お客さん皆大満足なこと請け合い。

 

 

・・・まったくの想像による

ディナーショーの流れを妄想してみたが、

結構当たらずも遠からずなのではないだろうか。

 

 

ただでさえ賞味期限の長い演歌にあって、

ひとつでもヒット曲があれば、

演歌歌手は、その気になれば歌手として一生営業していける。

 

そして演歌史に残る超ド級のヒット曲を2曲も持つ石川にとっては、

その2曲だけは変にいじったりせずに、

出来るだけレコードそのままと心がけていてさえすれば、

後は好きなようにやっても、大満足のステージを生み出すことができる。

意識してか知らずか、石川はこれを律義に実践しているように思う。

 

大御所と呼ばれるようなベテラン歌手で、

時々耳に障るのが、この変にタメを利かせた歌い方。

たぶん、歌い飽きているんだろうね。

元の節を変にずらして、聴く側をつんのめらせてしまう。

じれったくて、聴いていられない。

 

 

津軽海峡・冬景色』は、元々レコードの段階から

絶妙なタメを持った曲で、意識して聴いていると

各フレーズの後ろ部分は、リズムからかなり遅れているのがわかる。

 

「♪上野発の夜行列車」あたりまではテンポ通りだが

「♪降りた時・か・ら・」と、だんだんタメが利いてくる。

「♪青森駅は」とテンポが戻ったとおもったら、

それにづづく言葉のタメが利いてくる。これの繰り返し。

 

嫌味にならないギリギリのところでタメを利かせている。

これ以上タメちゃうともう聴いていられない。

絶妙。

  

 

 

 

名曲・聴きドコロ★マニアックス

津軽海峡を、船でも電車でも

渡ったことのある人ならわかると思うが 、

この曲が頭をよぎらないことが、まずない。

 

上野発ではないけれど、

雪の季節ではないけれど、

連絡船ではないけれど、

 

青森を発つときは、『津軽海峡・冬景色』を思い浮かべ、

函館に着くときは、「♪はーるばる来たゼ ハーコダッテー」と、

『函館の女』(北島三郎/1965年)を思い浮かべる。

 

これはもう、条件反射のようなもので

止められない。

 

「♪ご覧あれが竜飛岬 北のはずれと 見知らぬ人が指を指す」

かつて、夜行の青函フェリーから、必死に竜飛岬を探したが、

どの明かりが竜飛岬なのか判らなかった。

 

「♪息で曇る窓のガラス拭いてみたけど 遥かに霞み見えるだけ」

窓越しに進行方向左側を眺めている人が結構いた。

皆気持ちは同じだったのだろうと思う。

 

 

 

意味が知りたい★ここんとこ 深読み&ななめ読み

「連絡船」

青函連絡船。今では逆に信じられないことだが、

列車がそのまま船に積み込まれる。

桟橋から直接、船内にレールがつながっており、

船に直接列車が走りこむ*1

 

なんだかすごくない?

 

ご存じのとおり、1988年の青函トンネルの開通により、

青函連絡船は廃止。

海に突き出た青森駅の妙な構造だけが名残として残っている。

 

 

「上野発」

これは比較的最近までそうだったので

それほど違和感はないが、

かつて東京から東北方面の始発駅といえば上野駅だった。

東北本線信越本線常磐線高崎線

いずれも上野駅で行き止まりののホームに滑り込んだ。

 

上野から東京方面に向かうのは、

山手線と、京浜東北線のみだったのは今は昔。

新幹線*2も、東北線*3も、そのまま東京方面へ直通するようになった

 

 

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石川さゆり ベスト・コレクション

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津軽海峡・冬景色

津軽海峡・冬景色

 

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津軽海峡・冬景色[EPレコード 7inch]

作詞 阿久悠、作曲・編曲 三木たかし

1977年(昭和52年)1月1日、日本コロムビアより発売

 

歌詞はうたまっぷ

石川さゆり/歌詞:津軽海峡冬景色/うたまっぷ歌詞無料検索

 

曲にまつわる背景などはwikipediaにくわしい

津軽海峡・冬景色 - Wikipedia

 

オリコン最高位6位(年間16位/1977年)

脚注

*1:人は載せない状態で、らしい。人はホームで別の列車に乗り換えるように、駅に隣接した桟橋から船に乗り換えた。列車を乗せるのは、どちらかというと貨物輸送を主体とした方法。

*2:1991年上野-東京駅間開業

*3:2015年上野-東京駅間開業