日本百名曲 -20世紀篇-

20世紀の日本の歌曲から、独断と偏見で100曲を紹介(500名曲もやるぜよ)

『津軽海峡・冬景色』 石川さゆり ~ もはや条件反射なり。津軽海峡といえば、上野発。

暗転した舞台に、

三味線と鼓による『天城越え』(1986年/試聴/停止 byiTunesからダウンロード)の

カッコいいイントロに導かれ

スポットライトを浴びた、石川さゆり登場。

 

途中、新曲や、持ち歌以外のスタンダードを交えつつ、

能登半島』(1977年/試聴/停止 byiTunesからダウンロード)のようなヒット曲や

ウイスキーが、お好きでしょ』(1991年/試聴/停止 byiTunesからダウンロード)などの小品をからめて、

ラストにこの『津軽海峡・冬景色』を持って来れば

熱心なファンじゃなくても、お客さん皆大満足なこと請け合い。

 

 

・・・まったくの想像による

ディナーショーの流れを妄想してみたが、

結構当たらずも遠からずなのではないだろうか。

 

 

津軽海峡・冬景色[EPレコード 7inch]
ジャケット/amazonより
  • 作詞 阿久悠、作曲・編曲 三木たかし
  • 1977年(昭和52年)1月1日、日本コロムビアより発売
  • オリコン最高位6位(年間16位/1977年)
  • 歌詞はうたまっぷへ:http://www.utamap.com/showkasi.php?surl=31536
  • 曲にまつわる背景などはwikipediaにくわしい:津軽海峡・冬景色 - Wikipedia
  •  

     

    ただでさえ賞味期限の長い演歌にあって、

    演歌歌手は、ひとつでもヒット曲があれば、

    その気になれば歌手として一生営業していける。

     

    そして演歌史に残る超ド級のヒット曲を2曲も持つ石川にとっては、

    その2曲だけは変にいじったりせずに、

    出来るだけレコードそのままと心がけていてさえすれば、

    後は好きなようにやっても、大満足のステージを生み出すことができる。

    意識してか知らずか、石川はこれを律義に実践しているように思う。

     

    大御所と呼ばれるようなベテラン歌手で、

    時々耳に障るのが、この変にタメを利かせた歌い方。

    たぶん、歌い飽きているんだろうね。

    元の節を変にずらして、聴く側をつんのめらせてしまう。

    じれったくて、聴いていられない。

     

     

    そもそも『津軽海峡・冬景色』は、元々レコードの段階から

    絶妙なタメを持った曲で、意識して聴いていると

    各フレーズの後ろ部分は、リズムからかなり遅れているのがわかる。

     

    「♪上野発の夜行列車」あたりまではテンポ通りだが

    「♪降りた時・か・ら・」と、だんだんタメが利いてくる。

    「♪青森駅は」とテンポが戻ったとおもったら、

    それにづづく言葉のタメが利いてくる。これの繰り返し。

     

    嫌味にならないギリギリのところでタメを利かせている。

    これ以上タメちゃうともう聴いていられない。

    絶妙。

      

     

     

     

    名曲・聴きドコロ★マニアックス

    津軽海峡を、船でも電車でも

    渡ったことのある人ならわかると思うが 、

    この曲が頭をよぎらないことが、まずない。

     

    上野発ではないけれど、

    雪の季節ではないけれど、

    連絡船ではないけれど、

     

    青森を発つときは、『津軽海峡・冬景色』を思い浮かべ、

    函館に着くときは、「♪はーるばる来たゼ ハーコダッテー」と、

    『函館の女』(北島三郎/1965年/試聴はこの先から)を思い浮かべる。

     

    これはもう、条件反射のようなもので

    何者にも止められやしない。

     

    「♪ご覧あれが竜飛岬 北のはずれと 見知らぬ人が指を指す」

    かつて、夜行の青函フェリーから、必死に竜飛岬を探したが、

    いくつもあるうちのどの明かりが、竜飛岬なのか判らなかった。

     

    「♪息で曇る窓のガラス拭いてみたけど 遥かに霞み見えるだけ」

    窓越しに進行方向左側を眺めている人が結構いた。

    皆思うものは似たようなものだったのだろうと思う。

     

     

     

    意味が知りたい★ここんとこ 深読み&ななめ読み

    「連絡船」

    青函連絡船。今では逆に信じられないことだが、

    列車がそのまま船に積み込まれる。

    桟橋から直接、船内にレールがつながっており、

    船に直接列車が走りこむ*1

     

    なんだかすごくない?

     

    ご存じのとおり、1988年の青函トンネルの開通により、

    青函連絡船は廃止。

    海に突き出た青森駅の妙な構造だけが名残として残っている。

     

     

    「上野発」

    これは比較的最近までそうだったので

    それほど違和感はないが、

    かつて東京から東北方面の始発駅といえば上野駅だった。

    東北本線信越本線常磐線高崎線

    いずれも上野駅で行き止まりののホームに滑り込んだ。

     

    上野から東京方面に向かうのは、

    山手線と、京浜東北線のみだったのは今は昔。

    新幹線*2も、東北線*3も、そのまま東京方面へ直通するようになった

     

     

    amazonで現在入手可能な収録CD 1曲目/試聴可能

    石川さゆり ベスト・コレクション

    石川さゆり ベスト・コレクション

     

    脚注

    *1:人は載せない状態で、らしい。人はホームで別の列車に乗り換えるように、駅に隣接した桟橋から船に乗り換えた。列車を乗せるのは、どちらかというと貨物輸送を目的の主体とした方法。

    *2:1991年上野-東京駅間開業

    *3:2015年上野-東京駅間開業