なにもこんなマイナーな曲を採り上げなくても、と思いつつ、
もしかしたらマニアックな層の来客を期待するスケベ心も持ちながら*1、
物陰からコッソリと声を大にして言いたいのは、
この歌がまれにみる5拍子の歌であるということ!
数少ない5拍子の曲としてまず思い浮かべるのが、
mission impossible 『スパイ大作戦のテーマ』(1966年/ by
)や
スタンダードナンバーで、その名もズバリの『TAKE FIVE』(1959年/ by)、
伊丹十三監督映画テーマ曲『マルサの女』(1987年/ by
)、
といった、インスト曲*2ばかりで、
ちっとは名のしれた曲の中で、歌詞のついた5拍子として思い浮かべるのは、
この『ロカ』だけだったりする。
それでもやはりマイナー曲であることは間違いないので、
珍しく曲紹介とやらをしてみよう。
いつも、曲を知っている人のみ対象みたいになってしまっているからね!
『ロカ』というタイトルは、漢字で書くと、まさかの「濾過」。
汚れた水をフィルターを介して澄んだ水に変えることだ。
悲しく沈んだ気持ちや薄汚れた世界に、「ロカ」が必要と、やさしく説いている。
カタカナで書くことで、なんだか愛らしい固有名詞のように感じられて面白い。
そして遊佐未森の優しく爽やかな歌声によくマッチしていると思う。
アルバム「roka」のタイトル曲であり、およびシングルカット曲で、
残念ながらオリコンシングルでチャートインはせず。
しかし、スズキアルトのCM曲に使われたことから、聴いたことある人は結構いるはずだ。
一聴して変拍子の曲とは思えないほど、ポップでリズミカルな曲で
どことなく民族音楽のような雰囲気があると思ったら、
アイルランドにて、現地のインストバンド、ナイトノイズのサポートで録音されたとのこと。
言われてみればどこかケルト音楽っぽい・・・かな?
もうひとつ民族音楽っぽく聞こえるのは、ドラムセットのうち
ハイハットやスネアドラムを使用せず、タム中心のビートになっているせいだと思われる。
そのせいで、シンプルな太鼓をたたいているようなサウンドになっている。
(ところどころ派手に入るシンバルは、個人的には邪魔だと思う)
おおぅ、一般向けに曲紹介するつもりが、逆にどんどん
変な方向にマニアックになってきた。これじゃ誰もついて来ねぇ。
シングルベストCDが発売された際に、初回出荷分に
誤ってシングルバージョンではなく、アルバムバージョンが収録されたという
オマケエピソードまである曲。そのせいか、iTunesページでこの曲のみ試聴できない。
7月14日発売 「Do-Re-Mimo 〜the singles collection〜」/遊佐未森 お詫びと交換のお知らせ
これは逆にレアかもしれないぞ、とマニア心をさらにくすぐるのであった。
意味が知りたい★ここんとこ 深読み&ななめ読み
鳴らない目覚ましを抱いたまま
要するに、まだ夢の中ということ。
uisce 'a reachtail deora 'na tuillte
「♪医者が成った。乗らなくっちゃ!」と聞こえてしまうが、
これはゲール語(古いアイルランド語)らしい。
しかし、このままでは自動翻訳が通らない。
古記述と現代記述の違いかもしれないし、単に誤記の可能性もある
uisge 'a reachtail. deora 'na tuilte
と綴りなおすと現代アイルランド語の自動翻訳に通るが、
「法律上の水。涙があふれる」で、なんだかおかしな感じだ。
ここは当然のように、遊佐未森本人のブログ記載に、発音と意味を委ねてしまおう。
発音は「♪ イーシュケ ア ラフタル ジョラーンナ テルチェ」
そのイメージは「古い井戸から、きれいな水が溢れてくる!」
だそうだ。
現在入手可能な収録CD/視聴可能
やっぱ生で聴きたい人は、ライブ・イベント情報&チケット
※該当曲を聴ける保証はありません。
脚注
*1:もっともその場合は、「もっといい歌あるのに何でこれなの?」という指摘が入ってしまうので、それはそれで面倒くさい。
*2:インストゥルメンタル。日本語で言うと器楽曲。要するに歌のない楽曲のこと。