日本百名曲 -20世紀篇-

20世紀の日本の歌曲から、独断と偏見による日本100名曲を紹介(500名曲もやるぜよ)

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『探偵物語』 薬師丸ひろ子 ~ 連想ゲームの時間です。お題は「とまどい」

…ンで使われたのかは知らない。 たぶん全然違うのだろうと思う。 妄想とはそんなもんだ。 シングルジャケット/CDandLP.comよりより 探偵物語薬師丸ひろ子J-Pop¥250provided courtesy of iTunes 作詞 松本隆、作曲 大瀧詠一、編曲 井上鑑 1983年(昭和58年)5月25日、東芝EMIより発売 オリコン最高位7週連続1位(年間4位/1983年) 歌詞はうたまっぷへ:探偵物語 薬師丸ひろ子 歌詞情報 - うたまっぷ 歌詞無料検索 曲にまつわる…

『越冬つばめ』 森昌子 ~ 美しく唄うツバメ男は何にあらがうのか

おそらく一生のうちに一度も訊かれることは無いだろうが、 もしも、「演歌で最も美しい曲は」と問われたとしたら 迷わずにこの曲を選ぶ。 「♪ヒュールリー ヒュールリーララー」 森昌子のよく通る声による、寂しげなメロディが 実にキャッチ―で印象的。 このフレーズはツバメの啼き声として歌われているが、 実際つばめはこんな啼き方しない。*1 おそらく冬の風の音を、寂しげなつばめの啼き声と重ねているのだろう。 越冬つばめ。 夏にやってくる渡り鳥であり、本来冬にいないはずの 南に還りそびれ…

『め組のひと』 ラッツ&スター ~ べらんめえ女とそれを取り巻くナンパ男たち

…けで、水着かどうかすらわからない。 シングルジャケット/amazonより め組のひとラッツ & スターJ-Pop¥250provided courtesy of iTunes 作詞 麻生麗二、作曲・編曲 井上大輔 1983年(昭和58年)4月1日、EPICソニーより発売 オリコン最高位1位(年間10位/1983年) 歌詞はうたまっぷへ:め組のひと RATS&STAR 歌詞情報 - うたまっぷ 歌詞無料検索 曲にまつわる背景などはwikipediaにくわしい:め組のひと - W…

『冬のリヴィエラ』 森進一 ~ さわやかな森進一はお好きですか?

…った、音楽上の特徴から、 ジャンルを分けることが困難なのだ。 コブシを効かせている、とか、 感情を歌い上げる、とか、 そういう印象面での分類であると認識している。 そういった意味でも、「演歌歌手が歌ううた」という分類法が、 演歌にとって一番適切なジャンル定義となるのだろう。 しかし待て。 この『冬のリヴィエラ』はどうだろう。 シングルジャケット/amazonより 冬のリヴィエラ森 進一J-Pop¥250provided courtesy of iTunes 作詞 松本隆、作曲…

『聖母たちのララバイ』 岩崎宏美 ~ この子守歌はテンションが高すぎて眠れやしない

…く演奏。 歌いだしからクライマックスまで、 この歌唱と演奏の二つが 螺旋のように絡み合い上り詰めていく。 まさに圧巻。 ん~、あふれる思いが強すぎるのか うまく文章で表すことができない。 自分の中では5本の指に入るくらいの、屈指の名曲だと思っている*1。 しかし、「♪さぁ 眠りなさい~」とやさしく始まる割には 次第に歌い手がエキサイトしてしまって これではとてもじゃないが眠れない! シングルジャケット/amazonより 聖母たちのララバイ岩崎宏美歌謡曲¥250provided…

『赤いスイートピー』 松田聖子 ~ 実は隠れ鉄道ソング

なんの気のてらいもない、純粋にメロディーのいい曲。 よって、よほど文章が巧みか、曲の構成に造詣が深くないと 文章を書く手掛かりが見つからない。 作曲者の呉田軽穂が実は松任谷由実の変名だった、 というような、ちょっと調べればわかる裏話を書いてもしょうがないので、 歌詞方面から、ほかのアプローチを試みてみる。 歌詞を見ていくと、この曲、実は隠れ鉄道ソングであることがわかる。 「♪春色の汽車に乗って海に」 「♪四月の雨に降られて 駅のベンチで二人」 「♪線路のわきの蕾は 赤いスイー…

『センチメンタル・ジャーニー』 松本伊代 ~ 短命を宿命づけられていた長寿曲

…ーの最たる部分は 自らが、賞味期限を数か月に絞ってしまっているところだ。 「♪伊代はまだ 16だから」 1981年10月21日リリースのこの曲は、馬鹿正直に捉えれば、 松本伊代が17才になる翌1982年6月21日には、歌えなくなってしまう。 わずか8か月がこの曲のリミットだったはずだ。 発売日が誕生日と同じ21日、という点にやや作為的なものが感じられる。 「♪読み捨てられる 雑誌のように」、瞬間消費される運命の 一発限りの歌、のつもりだったとしても 相当なチャレンジだったに違…

『お嫁サンバ』 郷ひろみ ~ 追っかけに追い越されてるんですけど。

…できていて、 あとからそれに合わせて歌詞が加えられるという いわゆる“曲先”*1の曲にあって、 先に聴いていたメロディーのよさに仕上がりを楽しみに待っていたら、 出来上がった歌詞のあまりのギャップに崩れ落ちた、という話。 だけど郷ひろみの歌って、もともとこういう少々ふざけた感じの、 もうちょっと良い表現を使えば、遊び心のある曲のイメージがあったので、 このエピソードの披露はかえって意外だった。 デビュー曲『男の子女の子』(1972年/試聴はこの先から)だって、 アイドルソング…

『ルビーの指環』 寺尾聰 ~ たぶん、1拍目はアンタッチャブルなのだろう

…、いいところが見当たらない。 終始低い声でぼそぼそ歌うし、 単調で盛り上がりに欠けるし、 未練たらたらの失恋ソングだし、 歌い手のビジュアルもいまひとつパッとしないし。 だのに、なぜここまで、「いい歌」となって さらに、2か月以上にわたってオリコン1位という大ヒットになったのか? 正直永遠の謎だ。 シングルジャケット/amazonより ルビーの指環寺尾 聰ニューエイジ¥250provided courtesy of iTunes 作詞 松本隆、作曲 寺尾聰、編曲 井上鑑 19…

『防人の詩』 さだまさし ~ エキサイティング・クエスチョンズ

…け。 何があったか知らんけど、とにかく落ち着け。 どう どう。 「♪海は死にますか?!」 「♪山は死にますか?!」 「♪風はどうですか?!」 「♪海もそうですか?!」 「♪教えてください・・・」 まくしたてるように、終始問いを投げかけてくる。 その答えを得ることもなく。 同時期の、オフコースの『Yes-No』(1980年/※試聴環境がないようです by)も、 「♪君を抱いていいの? 好きになってもいいの? 心は今どこにあるの?」 ただひたすら問いを発する歌だが、深刻さがまるで…

『舟唄』 八代亜紀 ~ ときどき無敵になればいい ♪チャンチャチャチャラー

…けで 歌になるのだから、演歌ってすごい。 「♪しみじみ飲めばしみじみと」 「♪ホロホロ飲めばホロホロと」 「♪ぽつぽつ飲めばぽつぽつと」 しかし、いずれも言葉としては意味不明だ。 「しみじみ・・・」はもう頭の中に固定された語句として 染みついてしまっているので、それほど違和感を感じないが、 しみじみ飲むってどういうことよ、と改めて思う。 しみじみ動く、とか、しみじみ立つ、 とかに違和感があるように 単純な所作の装飾にはあまり向かない言葉だ。 しみじみ眺める、とか、しみじみ考え…

『異邦人』 久保田早紀 ~ タマゴが先か、ニワトリが先か。(いや、クボタサキだ)

…ていたことを知ってからだと思う。 そのとおりイントロからの演奏は実に中東的だ。 終始演奏を引っ張っているストリングスもそれっぽいし、 ズンチャカチャッチャ、ズンチャカチャッチャ、というリズムや、 メロディーを追いかけて補完するようなクラリネットの旋律、 寂しげに掻き鳴るペルシャの琴*1などが エキゾチックにいろどりを添えている。 だのに、自分がこの曲に対して 元々おぼろげに持っていた印象は そんなエキゾチックなものではなかった。 似たようなテイストを持つ、 中森明菜の『San…

『ビューティフル・ネーム』 ゴダイゴ ~ beautifulは、うつくしいではなく、すばらしいなんだ。

…い歌だとは、思いもよらななかった。 オリジナルの『ビューティフル・ネーム』は 「♪きょうも こどもたちは ちいさな手を ひろぉげて」 「♪呼びかけよう なまぁえを すばらしい なまぁえを」 歌いだしを除いて、ことばの2文字目に拍子の頭(アクセント)がある。 これがまるで、いわゆるヨコ乗り、 裏拍にアクセントがあるような効果を生み出している。 ゴダイゴの強力なリズム陣(スティーブ・フォックスとトミー・スナイダー*1)のたまものか。 こんなスローテンポの曲でも、ここまでノリがいい…

『大都会』 クリスタル・キング ~ 底辺の現実にも、希望あふれる壮大な歌

…ビジュアルの異様さから、 アニメ「北斗の拳」の主題歌の話が来るなど 当時からほぼイロモノ扱いのバンドであった。 また、『大都会』のインパクトがあまりにも強すぎたせいで 一発屋のレッテルを貼られ、損な立ち位置にいたことは否めない。 『蜃気楼』(1980年/※試聴環境がないようです by)なんかも結構な佳曲だが、 いかんせん『大都会の』のせいで、2番煎じの臭いを拭えない。 さて、静かなピアノから始まるこの『大都会』は、 無駄な部分をそぎ落としたベース、ギター、ピアノ、 それぞれの…

『いい日旅立ち』 山口百恵 ~ 豪華でドラマチックな、後ろ向きのうた

…歌詞の内容は、現実から目をそらし、逃げ去ろうとする曲である。 あてのない希望に向かって、いまを捨て去る。 夢に破れて逃げ去るのか、 恋人と別れて逃げ去るのか、 あるいはその両方だろうか。 決して過去をすべて投げ捨て去るわけではない。 子どものころの思い出は胸にしまって、 あてのない旅に出る歌だ。 「夕焼けを探しに」「羊雲を探しに」 と、かなりのあてのなさだ。 旅立ちの理由になるものではない。 そもそも旅先に探しに行くものではないだろう。 最後に本音が出る 「幸せを探しに」と。…

『かもめが翔んだ日』 渡辺真知子 ~ よーいドンで始まる、全速力競争

聴いているこちらまで 指がつりそうになる。 ゆったりとしたイントロの 「♪か・も・め・が・と・ん・・・だー!!」 の号砲を合図に、すべての楽器が一気に疾走するのだ。 シングルジャケット/amazonより かもめが翔んだ日渡辺 真知子歌謡曲¥250provided courtesy of iTunes 作詞 伊藤アキラ、作曲 渡辺真知子、編曲 船山基紀 1978年(昭和53年)4月21日、CBSソニーより発売 オリコン最高位5位(年間20位/1978年) 歌詞はうたまっぷへ:か…

『UFO』 ピンク・レディー ~ ツッコミどころまで満載の、豪華幕の内弁当

はたして、この特徴だらけの歌を どこからツッコんだものか。 まずタイトルからしておかしい。 謎めいた恋人が実は宇宙人だった、というぶっ飛んだ設定だが なぜかタイトルは、UFO。 「宇宙人」とか「異星人」とかいうタイトルではなく、 『UFO』。 ・・・何故だ。 遠くはないが微妙にずれている・・気がする。 言葉の意味よりも、言葉の響きを優先させたのか。 シングルジャケット/amazonより UFOピンク・レディー歌謡曲¥250provided courtesy of iTunes…

『勝手にしやがれ』 沢田研二 ~ カッコつけるが女々しさ全開

…によるイントロ*1から導き出される ジュリー*2こと沢田研二の カッコよく歌いあげるストーリィは、、、、 出ていく女をタヌキ寝入でやり過ごす男。 女が出て行ってからむっくり起き上がり、 遠く去りゆく女に向かって、窓越しに「アバヨ」と声をかける。 しまいには夜中だというのに 派手に音楽をかけて朝までひとり残念会で現実逃避。 ・・・なんてカッコ悪いんだろう。 シングルジャケット/amazonより 勝手にしやがれ沢田研二J-Pop¥250provided courtesy of i…

『あずさ2号』 狩人 ~ 鉄道ファンとハモりフェチに永く愛されるマニアな歌

ハモりフェチにはたまらない。 「♪さよならはー いつまで経ってもー とても言えそぉにー ありませーんー」 いやぁ、ぞくぞくするねえ。 とんねるずの木梨憲武が、山本譲二と組んで 「憲三郎&ジョージ山本」というユニットをやっていた時に、 ジョークで「ライバルは狩人」と言っていたのも肯ける。*1 メロディーはしっかり一本で通っていながら、 それを壊さずに、しっかり自己主張しまくっているハモりパート*2が まったくもって琴線までもくすぐりまくってくれる。 アリスの堀内孝雄と谷村新司や…

『中央フリーウェイ』 荒井由実 ~ 無自覚のままに時代が散りばめられたうた

中央道を都心から八王子方面に向かって走っていて 頭をよぎったのは、やはりこの曲だった。 右手に競技場のようなものが見えたところで、ふとこの曲を思い出し、 ひょっとしてあれが競馬場だとすると、、 じゃあ左手に、、、この建物がビール工場? あ、SUNTORYって書いてある。やっぱ間違いない。 今まで、ここを高速バスで通ったことは何回かあったが、 基本的に片側の窓からの景色しか見えないバスと違い、 自分で運転する車窓からは、 「♪右に見える競馬場 左はビール工場」 のタイミング通り…

『落陽』 山田パンダ ~ 知る人ぞ知るパンダの足跡は、カリスマに踏み潰された

…た拍子に、実は誰も知らなかったことを知る、 なんてことが時々ある。 それはドラマだったり、漫画、ゲーム、映画、 ファッション、また子供時代の遊びに至るまで ありとあらゆるところに存在する。 自分の周りでは一大ムーブメントだったはずなのに、 後になって、ほかのコミュニティーで話題に出したところ、 まるでそんな存在自体がなかったかのような、 あっても「そういえば、そんなこともあった気がする」程度の 反応が返ってきて、正直ヘコむ。 シングルジャケット/珍しく自前の写真画像より*1 …

『ペッパー警部』 ピンク・レディー ~ 過去記憶の捏造は、果たして曲による洗脳なのか

…っていたが、 どうやら世代的に、リアルタイムで見てはいないようだ。 テレビで懐かしの映像などを見ているうちに、 その強烈なインパクトとともに 刷り込まれてしまったものなのだろう。 wikipediaの記述を見て、そうそう、曲の最後、 「♪ペッパー警部よッ! ジャンジャンジャンジャン!」って終わってたよなー、 でもレコードにはこの部分ないんだよなー、と自分の記憶との一致に膝を叩いたものだが、 これはまがい物の記憶だったらしい。 シングルジャケット/amazonより ペッパー警部…

『なごり雪』 イルカ ~ まだ季節は春じゃない、旅立ちはもう少し先のはず

…で、 その違和感はさらに深まってしまった。 おそらくは表題曲と同時に発表された、同じく伊勢正三作詞・作曲の 『22才の別れ』(かぐや姫/1974年/※試聴環境がないようです by)*1と シチュエーションを重ね見てしまっている影響も大きいのではないか思う。 青春最後の時期の恋人同士の 別れを歌った歌のように思われている節がある。 ・・・果たしてそうなのだろうか? 「♪東京で見る雪はこれが最後ねと 寂しそうに君がつぶやく」 ここに悲壮感はあまりない。あるのは一抹の寂しさだけだ。…

『木綿のハンカチーフ』 太田裕美 ~ 天然悪女の男いじめうた

…どうもその解釈は違うらしい。 都会にもまれて、変わっていく男、 やがて男は故郷を捨て、恋人にも別れを告げる曲だと。 女は、最後にひとつ小さな願い事を告げて、別れを受け容れる。 「♪涙ふく 木綿の ハンカチーフください」 いじらしいじゃないの。 シングルジャケット/amazonより 木綿のハンカチーフ太田裕美歌謡曲¥255provided courtesy of iTunes 作詞 松本隆、作曲 筒美京平、編曲 萩田光雄 1975年(昭和50年)12月21日、CBSソニーより発…

『港のヨーコ・ヨコハマ・ヨコスカ』 / ダウン・タウン・ブギウギ・バンド ~ 果たして、歌である

…のほうが、はるかに歌らしいではないか。 ラップミュージックには、メロディーラインはなくても、 リズムに乗った言葉がある時点で、はるかに歌であるといえる。 一方、表題曲ときたら、タイトルコールである 「♪港のヨーコヨコハマヨコスカ~」のコーラス部分以外には、 歌唱にメロディーラインも、リズムもない。 ただただセリフがあるだけだ。 ベースのリフ*1に乗って、 強面のニイちゃん、ネエちゃんの「証言」が延々と綴られていくだけだ。 主人公は、「ヨーコ」という水商売の女の足跡をたどって、…

『東京』 マイ・ペース ~ 東京東京うるさいんだよう

…を抜いている。 おそらく遠距離恋愛という言葉も定着していなかった時代だろう。 遠く離れた東京で暮らす恋人に思いめぐらすこの曲は、 印象的なフルートの音色で始まる。 淡々としたメロディーの中、東京、東京、とひつこく繰り返しているうちに 感極まったように切なく力強いサビに突入し、 最後はどのパートがメロディーラインなのか混乱する*2ような ハーモニーで締めくくられる。 シングルジャケット/amazonより 東京マイ・ペース歌謡曲¥255provided courtesy of i…

『タイムマシンにおねがい』 / サディスティック・ミカ・バンド ~ 時代に早すぎたギターサウンド

…たが、 まさかそこから20年以上もさかのぼったところ*2に 既視感*3の源が転がっているとは思わなかった。 それにしてもこの表題曲、今日、今の時代にリリースしても なんら違和感のない曲だと思う。 ましてや、パフィーの曲と嘘紹介をしても信じる人がいるんじゃないかな? 現代においてもちょくちょくテレビとかでも部分的に使われている曲なので、 前からタイトルとメロディーはなんとなく知っていたのだけれど 改めて聴いてみると、その正統派ともいえるギターサウンドに 古臭さがあんまりないのだ…

『たそがれの銀座』 黒沢明とロス・プリモス ~ 数え歌になり損ねたかムード歌謡

…歌謡」という名を与えられた枝葉的なジャンルが発生した。 大雑把に定義するならば、ラテンのリズム*4に乗せて、 コーラスグループが歌う歌謡曲を指すものということになる。 ムード歌謡は、歌詞の内容でさらに2系統に分けられ、 オッサンらのグループが女心を歌いあげる系統と、地域を題材にした内容の系統とがあり、 後者は「ご当地ソング」とも称され、ジャンルの絡み合いが激しくややこしい。 シングルジャケット/amazonより たそがれの銀座純烈演歌¥255provided courtesy…

『ジョニィへの伝言』『五番街のマリーへ』 / ペドロ&カプリシャス ~ コミュ障なふたりの伝言ゲーム物語

…切っていた。 初めからひと組の楽曲として作られたのじゃないかと思ってしまうくらい、 見事な対比をみせているこの2曲。 続きものではなくまったく別々に作られたものと知ったのは、 ずいぶん後になってからのこと。 何も具体的な描写はないが、どこかヨーロッパの古都を思わせる雰囲気の中、 踊り娘のマリーと、素性不明の男ジョニィの それぞれの視点から終わった恋を歌う切ない物語だ。 ヨーロッパの、といったものの、主人公たちの名前以外に それを思わせるものはほとんどない。 むしろ名前の響きと…

『ちいさい秋みつけた』 ボニー・ジャックス ~ 胸に沁みる秋のうたは、病床のうたか

…う。 印象的な前奏から、一抹の寂しさを伴って胸にしみてくる。 『想い出の渚』(ザ・ワイルド・ワンズ/1966年/※試聴環境がないようです by)の稿でふれたように、 夏のうたがノスタルジィ*1であるのならば、 秋のうたはというと、ロンリネス*2だろうか。 同じ回想でも、秋の歌は懐かしさよりも寂しさが先立つような気がする。 主人公は、目かくし鬼さんの遊びに参加しているのではなく 窓越しに聞こえてくる音を頼りに、秋の情景を見ているようだ。 病床にでもあるのだろうか、 おもわず物語…