日本百名曲 -20世紀篇-

20世紀の日本の歌曲から、独断と偏見で100曲を紹介(500名曲もやるぜよ)

『津軽海峡・冬景色』 石川さゆり ~ もはや条件反射なり。津軽海峡といえば、上野発。

暗転した舞台に、 三味線と鼓による『天城越え』(1986年/※試聴環境がないようです by)の カッコいいイントロに導かれ スポットライトを浴びた、石川さゆり登場。 途中、新曲や、持ち歌以外のスタンダードを交えつつ、 『能登半島』(1977年/※試聴環境が…

『花嫁』 はしだのりひことクライマックス ~ 来ちゃった(てへぺろ)。まさかそんな嫁入りか!

小気味よい軽やかなリズムに乗せて 異様なほど伸びやかなボーカルが紡がれる。 そして歌詞を見て驚く。 これだけ?*1 そう。たったこれだけの文章。 言葉を発するたびにやたら空白があるわけでもない。 曲のテンポがスローなわけでもない。 曲の半分をも占め…

『帰って来たヨッパライ』 / ザ・フォーク・クルセイダーズ ~ 元ネタいくつ、みつけられるかな?

巡り合わせの妙とはいえ、 実はこの曲がオリコン史上初のミリオンセラー。 といっても、それまで100万枚売れた曲がなかったわけではない。 オリコンが集計を開始した1968年以降で最初、というだけのものだが、 選りによってしょっぱながこれ。 ・・・なんて…

『星のフラメンコ』 西郷輝彦 ~ 情熱的とは程遠く。なんとも消極的なフラメンコ

なぜに? 「♪好きなんだけど 離れてるのさ 遠くで星を見るように」 なぜに? 「♪好きなんだけど 黙ってるのさ 大事な宝隠すように」 なんという消極さ! 情熱的なはずのフラメンコ*1に乗せて 「♪壊したくない 無くしたくない」 同じ内容の歌詞を、言葉を替え…

『高原列車は行く』 岡本敦郎 ~ 日本のフニクラ・フニクラ、というわけではないらしい

「♪穿こう 穿こう 鬼のパンツ!」 のとんでもない邦訳(というより替え歌か?)でもおなじみの 『フニクラ・フニクラ』*1と同じような、 観光PRソングだとばかり思っていたが、 どうも違うらしい。 また、歌のモデルとなった鉄道は、 かつて長野県の軽井沢と…

『東京ラプソディ』 藤山一郎 ~ 華やかさの裏に忍び寄る影

そもそもラプソディとは何ぞや、 という疑問が先に立つ。 ラプソディといえば、この1936年の『東京ラプソディ』をはじめ、 『ボヘミアン・ラプソディ』(クィーン/1975年/※試聴環境がないようです by) 『新しいラプソディ』(井上陽水/1986年/※試聴環境…

『東京音頭』 小唄勝太郎・三島一声 ~ 1932年生まれ、今なお現役。20世紀最大のヒット曲

「♪ハァ~」で始まる曲は数多くあれど、 その最高峰に位置し、いまだに盆踊りの代表曲であるこの曲は、 なんと1933年(昭和8年)のリリース。 三味線と小太鼓、合いの手の掛け声という、お座敷唄の様式をベースに、 太鼓と管弦楽伴奏を加えて音に厚みを持た…

『夏祭り』 whiteberry ~ 実のところ一発の花火だって打ちあがってはいないのだ

甘えるような猫なで声が、歌詞と相まって、 幼さの残る年頃の、恋物語を引き立てている。 男目線の歌を女性がボーカルをとることで、 さらに主人公たちの幼さを連想させる。 たぶん、中学生くらいなんだろうな。 「♪友達見つけて離れて歩いた」 男女二人っき…

『花火』 aiko ~ 泣いてまで諦めなければいけない恋とはいったい何か

つまりは、この「花火」っていうのは、 恋心のことなんだな。たぶん。 理由はわからないけど、 どうしてもあきらめなければいけない恋。 「♪夏の星座にぶら下がって 上から花火を見下ろして」 一歩引いた位置から俯瞰するように、客観的に自分の恋心を眺めて…

『So Young』 The Yellow Monkey ~ げにイエモンには感嘆符が似合う。坊やだからさ!

あぁしまった!そうだった! と関西弁で叫んでいるようにしか聞こえないが、 「そぉや~ん!!」こと、So Young。 The Yellow Monkeyの曲を ああ、これ凄くいいな、と最初に思った曲。 弟の持っていたベストアルバムに入っていた この曲をきっかけに、時代を…

『おなじ星』 Jungle Smile ~ 盛り上がりすぎて一方通行にならなければいいなぁ。

もしもカラオケでこの曲を選曲した人がいたら、 ぜひとも勝手にハモりパートを歌って迷惑がられたいと 常日頃から思ってやまないが、ついぞその機会に巡り合わない。 というより、今の今までただの一度も、 この曲やこのグループの話題が 会話に登場したこと…

『硝子の少年』 Kinki Kids ~ 現役の少年に少年時代を振り返らせるナンセンス

歌い出しに現れる無音の瞬間にゾクっとくる。 曲の随所にみられる、 こういう“古臭い”テイストがこの曲のキモ。 古臭いといっても、世代を超えた大昔ではなく、 ひとりの人間が、ふと余裕をもって 振り返ることができる程度の過去。 雰囲気からして、おおよ…

『強く儚い者たち』 Cocco ~ 悪魔のささやきの裏には、報われない恋の悲しさがある

時は大航海時代。 何かの物語の主題歌ではないことが不思議なくらいな、 なんとも寓話的なシチュエーション。 それにしても視点が斬新。 主人公の役どころは、なんと 「悪魔のささやき」。 自分が悪女と思われることもいとわず、 むしろ余裕しゃくしゃくとば…

『そばかす』 Judy and Mary ~ イイ思い出になるには、ちと時間が足りない模様

何とも奔放なギターが、ある種ほほえましい。 YUKIのヘタウマ*1なボーカルの後ろで、ちょこまかと動き回るさま*2は、 テレビ中継のレポーターの後ろのほうで、映り込もうと跳びはねる悪ガキどものようだ。 リズムとか音程とか本当にこれでいいの? と疑ってし…

『誰より好きなのに』  古内東子 ~ 男女の親友関係が成立ってのも、あやふやなものだ

せつない内容の歌なのに、なんだかオシャレ。 ピアノを中心として、ベース、ギター、ドラムスといった アコースティック*1の楽器をそろえ、 トランペットを中心にしたブラスアンサンブルと ストリングスで、“大人な感じ”を演出している。 個人的にはストリン…

『Love Phantom』 B'z ~ 自身の作り出した亡霊に振り回され自暴自棄になるお話

B'zの松本孝弘というギタリストは、 自分で作曲とアレンジを行っていて、 かなりのテクニックを誇示しているクセに、 なぜか、一歩引いている印象を受ける。 自己顕示が少ないんじゃないかと。 わかる人にだけわかってもらえれば、OK。 少なくともレコードで…

『太陽が燃えている』 ザ・イエロー・モンキー ~ 妙に説得力のある骨太サウンド

まったくの個人的観点からすれば、 バンド・サウンドのベストはイエモンだと思う。 おそらく意識的に高音と重低音を排除し、 中低音にどっかと据えた骨太のサウンドに、 話し言葉のような日本語を載せている。 そのせいか、歌詞カードがなくても 何をしゃべ…

『ロビンソン』 スピッツ ~ 他力本願か。メルヘン主導の雰囲気先行曲

日本の流行歌史上、大きな位置を占めるこの曲は 「君」を何と解釈するかによって、 大きく意味が変わってくる。 そもそも全体に抽象的で、暗喩のようなキーワードばかりで 何を言っているのかさっぱりわからないのだ。 普通にラブソングとして考えれば、 「…

『歩いて帰ろう』 斉藤和義 ~ レールからの脱却。そのささやかな第一歩

歌詞を見ると案外愚痴っぽいのに、なんだかとってもハッピーなうた。 みんなでワイワイと適当な楽器を持ち寄って、 せーのでこの曲を演奏してみるだけで、たぶんきっと 下手なりにもみんなハッピーになれる。 タンバリンをシャリシャリ鳴らしているだけでも…

『夏の日の1993』 class ~ 時代の粋を集めたバカップルの一発曲

好くぞ名付けたり、『夏の日の1993』 これで1993年の夏のヒット曲でなければ 嘘を通り越してペテンである。 リアルタイムの年を冠した曲はいくつかあれど*1、 実際は歌詞に登場しない記念碑的タイトルがほとんどで、 そのままズバリをメインの歌詞に据えてヒ…

『島唄』 ザ・ブーム ~ さとうきび畑、現代沖縄語訳

沖縄音楽の最大のヒットが、 このヤマトンチュ*1による『島唄』だったのは、 ちょっとした皮肉だったろうか。 しかし、 『ハイサイおじさん』*2(1976年)や 『すべての人の心に花を』(1980年)の喜納昌吉らが 長年かけてコツコツと浸透させてきた沖縄音楽…

『君がいるだけで』 米米クラブ ~ 移り気男の本命アピールタイム。そう、例えば、、、

おそらく本人たちも意図せぬままに、 トップまで登り詰めてしまった偉大なるマイナー、米米クラブ*1。 この歌にしても、もしかすると 元々はトレンディー路線のポップスに対するパロディだったのかもしれない。 例えば、『君がいるだけで、心が強くなれる』 …

『悲しみは雪のように』 浜田省吾 ~ どんなに積もっても、いつかは解けるんだ

心の叫びを絞り出すような、心に響くメロディーに おもわず勘違いしそうになるが、 「♪心の底から誰かを愛することができるはず」 「♪誰もが Wow.. 愛する人の前を気づかずに通り過ぎてく」 自分の思いに気付いてくれない人に対して 遠回しに愛を伝えている…

『さよなら夏の日』 山下達郎 ~ 勝手な解釈は聴き手の自由だ(くれぐれも自己責任で)

毎回、もっともらしく歌詞の解説をしているが、 実はシチュエーションの設定次第で 解釈はどうとでもなることも多い。 こういうのを曲の懐の広さ、という。 曲に懐の広さがあるからこそ、人はその中に 自分の実体験や、見聞きした物語との共通点を見出し た…

『花咲く旅路』 原由子 ~ 花びらの紫色は人生の色

ときはまだバブル景気を引きずっているころ。 すべてが浮かれまくって 「♪24時間戦えますか?」なんて歌が流行った時代だが、 (『勇気のしるし』(牛若丸三郎太*1/1989年/※試聴環境がないようです by)) どういうわけかこの時代は、ノスタルジックな曲が…

『少年時代』 井上陽水 ~ 憧れを覚えていますか。いいえ忘れたことにしました。

和製ボブ・ディラン、といえば吉田拓郎のことだが、 いや和製ディランだったら、むしろ 井上陽水のことだろう、と常々思っている。 どうやら自分の持つボブ・ディランのイメージと 世間の持つボブ・ディランのイメージに隔たりがあるらしい。 自分のイメージ…

『真夏の果実』 サザンオールスターズ ~ 夢の中だけに残る、ゆきずりの恋物語

まず第一に、小林武史によるアレンジが秀逸。 トーンチャイム*1とハープの中間のような音の 静かなイントロから導かれる 桑田佳祐のつぶやくような歌い出しに、 切なさがあふれている。 ゴテゴテした装飾の一切ない、 シンプルアレンジの一本鎗で、 桑田のボ…

『未来予想図II』 ドリームズ・カム・トゥルー ~ シンプルで強い夢は、きっとかなう。

あらかじめ回数を決めた ポンピングブレーキ*1はやめましょう。 危ないし。 「♪ブレーキランプ5回点滅 ア・イ・シ・テ・ルのサイン」 かくいう自分も、実は何回かやったことはあるが、 去り際にやってもその場で相手の反応を知ることはできないので ただのミ…

『M』 プリンセス・プリンセス ~ 想いがブラックホール化している。立ち位置の問題か?

あらためて歌詞をみて初めて気づいたのだが、 別れた相手を想い出にできなくて苦しい、 という単純な歌とは、どうやら違うらしい。 彼に言われた別れの言葉が、 いつまでも頭の中でリフレインしていて、逃れられない。 だけどなぜか、愛しさを忘れることがで…

『Train-Train』 ザ・ブルーハーツ ~ さまよえる羊たち応援団

ブルーハーツの最大の良さは ひとえにその、わかりやすさ、にあると思う。 「♪見えない自由が欲しくて」 「♪見えない銃を撃ちまくる」 「♪どんな記念日なんかより」 「♪どんな記念碑なんかより」 ダジャレ一歩手前の*1、韻を踏んだ歌詞と、 どんなことがあっ…